47 茶道部
校長室のドアがノックされた。幸せ到来の音に決まってる。浴衣を着た少女が二人。「茶道部です。抹茶を点てましたので、どうぞご賞味ください。」三口半で飲むのが標準です、と教えてもらいながら、作法どおりに頂くと、本当においしい。茶菓子もどうぞ。くるみ入りの「ゆべし」は品ある甘さ。その浴衣、自前? はい、祖母のです。浴衣を代々引き継いで着る、なんて素敵な家族。帯を結ぶと背筋がピンと伸びますね。そうそう、着る服が所作を規定するよね。会話が楽しい。ラフカディオ・ハーンは、盆踊りの女性の浴衣姿を「まるでギリシャ神話のニンフ(妖精)のようだ。」と書いている。猛暑が続く中、爽やかな風が吹いたひと時でした。